結成前夜


年度の締めが終わり、翌日から新年度。
ここにきて先輩の昇進の話も舞い込み、なんだか少しずつ変わっていく予感もある。
30日に和歌山県庁へ戻る同僚の送別会をやったものの、4ヶ月という短い期間で色々なことを共有するのは難しく、定時を過ぎてから机の周りの整理や宅急便の手配をしている彼に夕飯でも行きませんかと誘う。


新宿の喧騒ももう最後だし、思い出横丁で焼き鳥か歌舞伎町の奥で栃木和牛でも食べに行こうかと思っていたら、新課長が珍しく飲みに行きませんかと俺を誘ってくれた。


それならせっかくだしともう一人の先輩と、明日から二年生になる後輩を誘い5人で居酒屋へ行った。
県から出向してきた担当の4ヶ月のことも聞き、また新課長が業務でパンパンになりながらさらに激務を宣告されていることにも何かバックアップをしたいと思いなかなか濃密な時間だった。


思えば同じ部署で一緒に戦っているメンバーから役職者が出るような経験は実はこれまでなく、いつも以上に手伝いたい、バックアップをしたい、と強く思うのは初めての感情だった。
境遇というか入社からのキャリアも似ている。
3年前にお互い集まって知り合うことができたメンバーだったので、なおさらチームとしての意識が強く、かつ同僚としての練磨を前向きにできる人だった。


そんな「同じ部署から新しい課長が誕生する」というだけでワクワクする年度末となった。
3/31って社会人になってからはいつも特別だよね。