突き刺さる言葉たち

毎年のことになってきちゃったけど、この時期顎が開かなくなる。
原因不明。
1ヶ月ほど大きく口を開けて食べ物をほうばることにも痛みが走る日々が続く。
仕事のストレスが原因だとは考えている。


ストレスと言っても、ネガティブなやつじゃなくていわゆる負荷。
ストレス、いわゆる負荷。
テンション、いわゆる張力。


そっちのほう。


しっかり歯を食いしばって踏ん張ってしまい、季節の変わり目だからこのままじゃ体調崩すかもな、
なんて思ってゴールデンウィークを乗り切ったあたりで始まる。


おや、顎が開かない。



保健治療のきく整骨院で見てもらって、首やら顎やらグキグキやってもらって、少し落ち着いてきた。
今年もそういう季節なのだ。


どうやら新しく立ち上げられた部署には新設部署ならではのリスクや(いわゆる「不要論」)、試行錯誤の日々がもたらすストレス(こっちは世間一般の)などが蔓延し、こっちとしては外野の雑音が単純な仕事を複雑にされている気がして、非常に腹が立っている。
と同時に、自分の営業あるいはコンサルティングのスタンスを一から見直さなければならないような局面が多く、
これに対しては非常に自信を失っている。


自信を失う、といえば聞こえがいいというか一義的だが、とにかくそういう「冷や水を浴びせられる」瞬間が多く、
自信を持って臨んだ自分が何だったのかわからなくなってきているというのが正確な表現だろう。
それは今まで自分の仕事に対する情熱やらエネルギーやらが、自分の成長する糧にはなっていたものの会社側からしてみれば「それだけじゃ困る」って言う目線で評価されてしまうってことを実感したからなのかもしれない。
とにかく会社としては俺の推進力が弱いと。


何となく新入社員の時に感じていた違和感が回りまわってもう一度戻ってきた感覚すら覚えている。
色んなことができるようになったからこそ、その次のステージに上がる前にもう一度しっかり考えておきたいことだ。


先日非常にイージーな戦略段階でのミスを犯してしまい、どうしてこんな雑なミスをしたもんだろうと考えたとき、現場に居合わせた上司が

「俺が心配しているのは、お前の世代の現状だよ。
ある程度何でも一人でこなせるし、商談の内容も非常にいい。
立ち回りもうまくなる。
効率も良くなる。
だからこそ、色んな仕事が回ってきてしまう。
俺みたいに仕事を回す側にしたって、「彼なら安心だ」って思って回す。
それ以外だと不安だっていう、消去法的な結論でもある。
そうすると、業務に追われてパンクしてしまう。
他の人にも手伝わせられない。
1人で抱えてしまう。
それが一番やっかいなんだ。
だからそろそろ仕事を選んでもいい」


そんな発想を全く持たずにやってきたもんだから、尚更考えさせられた。
あれほど仕事に対するスタンスに不満を持って見ていた後輩のやり方すら、もしかしたら正解なんじゃねーかと感じてしまう。
何でも自分でやってみろって言いたくて、お前見たいに仕事選んでたら交通事故的に取れた簡単な仕事しかできなくなるって伝えたくて、悶々としていた感覚ですら。


まだプレイヤーとしてとことん試行錯誤を繰り返し、色んな反応を見てみたいと思って仕事をしていたのが、
一気に「その中で最短距離が見えているならそれを選べ」と言われている気がして、不満ではないのだが非常に納得のいかない気分だった。
同僚や近い先輩たちは「期待されているから」とか、「お前たちが崩れると総崩れになるから」と言ってくれて(嬉しいのだが)、しかも自分だってそれを感じていないわけではないのだが、それでも自分のプレイヤーとしての引き出しをもっともっと大きくしたい気持ちが先に走ってしまう。
マネジメントとか俯瞰して見るとか、そういう経験やスキルだってそのうち身につくだろうと思ってた。
そもそもそういうところから発生する管理職、役職につきたいというような欲求よりも、もうちょっと玄関を大きくとりたいとか、せっかくだから軒をしっかり出してあげたいとか、自分のまだ経験のないような仕事の入り口を片っ端から取って来たいとか、そういうところに重点を置いてしまっていたし、
「そこから先は会社で判断してくれ」
「そこから先はお客さんが決めてくれ」
というようなどこかで大義名分を求めていたのも事実だ。


仕事に対するスタンスを根本的に考え直す機会ってのはこの「大義名分」を求める姿勢であって、これが今の自分にとって悪でしかないということがわかっただけでも非常に意義のある2ヶ月間だった。


責任を背負うってこういうことなのかと思うと、何だか変な気分になる。
そういう仕事をやってきたつもりだったが、まだまだ足りない。
色々足りない。