decline

色々会社の悪い部分を変えていこうと思っても、周りを巻き込まないとただの一個人が騒ぎ立てているだけになる。
企業はそんな独り相撲をしている人材は必要ないわけで。
じゃあどうするかっていうと、企業に気付きを与えるしかない。
極論としては、社員教育も同じ。
「気付きを与える」しかない。
部下に頭ごなしに命令したとしても、事の重大さがわからない状態ではその指示の本意も意図もわからず、その指示を出した側を疑い、疎ましく感じるだけだ。
大事なのは自分を内省できるレベルまで先回りをしたメッセージが出せるかどうか。


そこまで問われているんだ。
頭ごなしにやれって言ったってやらないよ。
それはどの時代だって同じ。
とにかく叱りつけるような理不尽な父親像があった時代だって、それで済んだ世の中だったからだ。
今、引退を控えている管理職たちより、下手すりゃ内定者の方が抱えている情報量は多い。
経験値が少ないだけで。


そんな矢先のトラブル。
結局自分の蒔いた種だ。
炎上したことに関しては紛れもなく俺の責任だ。
ただ、会社側へメッセージを発信する賭けでもあった。
こうでもしないと気付かない、そして鎮火したらしたですぐ過去の出来事となり、形骸化する。
俺のやるべきことは騒ぎが収まってからだ。


確信犯的に相手の要求をのんできた。
もちろん相手の要求にちゃんと応えようとする誠意だってあった。
何とかしようとも思ったし、命綱である人的なネットワークを根絶やしにするつもりもなかった。
だからこそ迷惑をかけたと思っているし、何かの形で借りを返すべきだと考えている。
ただ、大変申し訳ない話だが、俺は会社に気付きを与える為の行為だった。


そうやって能天気に仕事をしていていいのか?
難しい案件だからって大した努力や働きかけ無しに相手の工期を伸ばしていいのか?
それでいて自分の休みを優先していいのか?
自分が休みだからって勝手に相手の工期を伸ばしていいのか?
結果だけ伝えればいいのか?
一つ一つの案件をプロジェクトだとすれば、その一つ一つの特性が違うのに形式的な人員配置でいいのか?
会社の商品の運用は知っていても大前提の関係法令を知らなくていいのか?
大事なところを外注していいのか?
日々勉強に励む土壌を作らなくていいのか?
技術管理職が無資格でいいのか?
「性格的に難しい客か」「予算は伸びるのか」その程度の確認しかしないでいいのか?
重ねて言うが、


「そんな能天気な仕事のやり方でいいのか?」


そうやって工期を伸ばしてなし崩し的に顧客に迷惑をかけている事実に目を向けないのなら、強引に向けさせてやるっていう気持ちがあった。
皺寄せは来る。
結果俺は所属長にも周りのスタッフにも先方にも迷惑をかけた。
ただ、今まで言葉を交わしたことのない部署にまで入り込むこともできたし、無責任極まりない外野の存在も知ったし、極限状態での人物の本質も見たし、怒りの中に団結もあった。
自分自身の若さや至らなさも嫌という程痛感した。



けど大事なことはここからこの事実を還元することだ。



まだ終わっていない。