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12年前、新入社員の時の自分のメモより。

自分の価値観は、周囲の価値観と比較して気付くものだということ。
そして、自分の価値観をムリに変える必要はないけれど、相手の価値観に併せて主張するスキルを持つ必要がある、ということ。
それがコミュニケーションだと。


支店長は、その「相手の価値観に併せる」ということを、「フィルター」と言う。
自分の価値観、持っている引き出しから、相手との会話、仕事では商談・交渉、に必要なものだけをフィルトレイトして使うということだ。


そしてそういう引き出しの量やフィルターの質を上げるには、とにかく実践をすることで、強引さや無謀さは若い今だからこそ許されることで、まずは自分の価値観をぶつけてみることが大事である、と。


「コミュニケーションに正解不正解はない。しかしある種の人間は、相手と対峙したとき、適切な引き出しを開け、適切なフィルターを通して相手を納得させることが瞬時にできる。そしてその能力を日々磨いている」



その言葉が最も印象に残った。


もう営業が何だとかコミュニケーション()がなんだとかそういう話を真剣に悩み話すことは少なくなってきたが、今部署の新入社員が苦労していたり20代の事故が多かったりオリンピックの主役の年齢層がこの年代だったりするのを見ると、彼らはまだどこまでも主観で、価値観の突き合わせという作業が決定的に足りず、その中で「一人前」と見なされることに対する悩みを共有できずに何かを結論付けてしまうんだろうなあとふわふわ感じている。


そこは少し適当でいいんじゃない?っていうある種の脱力を身につけ、勘所を見極め、リスクコントロールをするんだろうなあ。