要するに

慕っていた先輩が離れることになって非常に寂しい。
こっちは一緒に戦う気まんまんだった。
勉強不足だ何だって、足を引っ張っているって、そんなのあんた一人じゃない。
みんなそれを承知で各々やってるんだ。


彼の得手不得手も知っているつもりだったし、こっちは少なくとも他に行けと言われるまでとことんやるつもりだった。
声がかかればそれは光栄だし、未だ見ぬ世界を知りたいなら外へ出る。
けど、それ以外の場合は「ここにいない理由」はないのである。
俺はいつも「ここにいない理由」もないし、「ここにいようと強く願う理由」もない状態がベースだった。


とにかく非常に残念であり、まだ力を出し切れぬまま集団を離れて行かれるのが悔しかった。
そして同時に、非常に動揺することだった。