ミエナイチカラ

「おはよう」とたまたま朝会社でこえをかけられ、見ると自分を引っ張ってくれた恩師のような上司がいた。
既に会社は辞めて所属を離れてしまったのだが、今でもうちの会社から仕事の依頼を特命で受けることがあるそうで、今日はその打ち合わせで来たとのこと。


過去、俺は同時期に二人の人に声を掛けてもらった。



流れとか偶然とか必然とか、そういう見えない力を感じながら挨拶をし、やはりそれだけでは足りなかったのだろう、飲みに行く約束も取り付けつつ昼ご飯に付いていった。


人生でというか、社会に出て自分が影響を受けてきた人物はたくさんいるが、その中でも特にインパクトの大きな衝撃やカルチャーショックを与えてくれた人物だったので、やはり今でも緊張をして新人の頃の感覚で自分が何を話しているのかわからなくなる。
そして必死に、一言も漏らさずに話を吸収しようとする。


そして結局自分がどのくらい成長したのかを知ってもらいたくて近況報告をする。


でも今日は愚痴を多く言ってしまった。
それも彼は軽く聞き流す。
「下らないって言っちゃ失礼だけど、下らないことで悩む必要はない」
「自分が色々わかってきたから、周りを見渡せるようになってきたからそう思うだけで、わかってない人間だって大勢いる」
「ちゃんとやってればそのうち、みんな自分に返ってくるから」
「社内で自分の会社を作るつもりで動けばいい」



「ちゃんとやってれば、そのうちみんな自分に返ってくるから」


短時間の会話の中で何回か言われた。



この人はいつもこんなタイミングで現れる。
ミエナイチカラと、師走のリンク。
加速してきた。