故人を想い、馳せる。

死んだ人間を生き返らせることはできないが、ここのところぶち当たる色々な壁を
目の前にするごとに、度々思う。
亡くなった上司のこと。


言っていることははちゃめちゃで、ついていくのもやっとだったが、その姿勢には
今自分がやらなければならない原点がある。
こんなとき彼ならどうするだろう、と。
ふと相談をしたい瞬間がある。
解決の方法を訊くつもりはない。
ただ、俺の話を聞いてほしい、そんな瞬間だ。


思えばあまり組織のことを議論したり、彼の組織論を聞く機会はなかった。
自ら組織を語るようなことはしなかった。
それでも、色々な柵の中にストレスを抱えていたんだと思う。


そんな折、病に倒れた。
倒れてからは早く、再び復帰をすることもなかった。


結局話を聞けなかった。


それでも、仕事の色々な場面で名前が出てくる。
大きな仕事に挑戦すれば、まず名前が出る。
少しでも近づこうと思って仕事をする。
距離は縮まらない。
焦る。


何が俺と違うんだろうって考えると、慌てないことなんだろうな。
木鶏の如く。



相反して、日々の苛立ちを隠しきれない自分。
一つ一つの感情の振れ幅が、コントロールできない。
まだまだだな。