まだ20代の頃ってのは君みたいに好奇心や向上心が無尽蔵にあるじゃない。
食欲、性欲、睡眠欲の他に名誉の欲求だってある。
だから色んなことに一喜一憂するし、異動があれば新しい環境でバカにされないようにって一生懸命になる。
俺は異動なんか数えきれないくらい経験してるし、いつだって「こんなもんだ」っていうのがわかってきている。
ちなみに今回の異動では君が異動したから上が一緒に俺を異動させたんだと思う。
でもそれだって一向に構わないんだよ。
昔は上に尊敬する人や技を盗みたい建築家がいたから、追い付くように、負けないようにってやってた。
でも今考えれば、全く楽しめてなかった。
だから君がそうやって死に物狂いに動き回っているのを見るとそんな自分の若い頃を思い出すし、同時にそれは尊いことだと感じる。
若いうちは山を登るのだって頂上を見つめながら登る。
君なんか頂上から一瞬も目をそらさないように登ってる感じがするよ。
今の俺は違う。
どのルートだっていいし、登ってるときの景色だって楽しめる。
疲れたら休めばいい。
頂上をいつも見定める必要なんかない。
そもそも、実は頂上なんてもんは存在しないんだから。
It's something unpredictable
But in the end is right
I hope you had the time of your life
