結婚式誤認

日曜日に友人の結婚式があるので6日は休日を取ろう、その為にも7日以降の仕事の目鼻を付けておこう、今月も忙しいぜ。
と思いながら5日の朝、金融機関との休日相談会スタッフとして金融機関に直行、最寄駅に降りようとしたとき。
そういや明日の式は渋谷で午後からだった。
部活の同期も来るし、じゃあ午前中から集まって飲み始めるのはどうだろう。
提案してみよう。


そう思い同期達にメールを送って返ってきたのが


「今日だよ!!」



もうなんつーか、言葉にならなかったよ。



上司や同僚に相談し、色んな予定をやりくりして、昼に家に戻り礼服に着替えて電車に飛び乗る。


ああ、社会人失格。



イヤな気持ちになったのは、やりかけの仕事の今後の「見えない流れ」に響くんじゃないかという気持ち。
因果応報とか禍福とか、そういうの結構信じるタチなので。
ウソつくわけにもいかなかったので、午後打ち合わせを予定しているお客さんには上司に出てもらうように段取りをし、お客さんに連絡をする。


知人の結婚式を1日間違えていた、と。



ああ、社会人失格。


なんだかやりきれない気持ちで式に向かい、同期の結婚や新婦さんの人間的な素晴らしさに感動する。
喜怒哀楽というか、気持ちの振れ幅が大きい一日だった。


新郎は大学の時の部活の同期だったから、もう10年来の付き合いになるが、何かこうキャラを持っていて、
そのキャラ以外の一面というか奥さんを含めた諸々のプライベートを見るのが少し気恥ずかしかった。
それは彼の両親だったり、奥さんだったり、初めて見るマイクパフォーマンスだったり、そういうものだ。


まあそれは当たり前のことで、在学中は「陸上」という共通項しかなかったからだ。
もちろんそういう繋がりでの友人はたくさんいるが、在学中はプライベートにまで色々と入り込むような付き合い方をしてこなかった。
だからだろう。
披露宴を見ても、その時代の彼がオーバーラップするもんだから、レストランの室礼やフォーマルな空気や、そういう非日常な味付けをさらに強調させる。
味わい深かった。
文字通り。


自分自身の話になるが、在学中の部活の位置づけって、自分の中でなかなか上にいかなかった。
「身が入らなかった」ってのが正確な言葉なのかはわからないが、とにかく色々他のことで部活の時間が犠牲になっていた。
だからタイムもあまり伸びなかったし、全体の大きな流れに乗りきれずに右往左往していたし、その後の集まりにも中々参加できずにいた。
その当時はそれが「部活に打ち込めなかった」という結果しか出てこなかったが、結局今思うと
「部活に打ち込めなくて本当に残念だった」話なんだなと。
そう感じるようになった。
部活や部活のメンバーが大好きだったんだなと。
だから今になってその当時のメンバーに会うと嬉しくて嬉しくて、けど当時メインストリームにしっかり入り込めなかった思いが前に出てきて、嬉しいのにどう表現していいのかわからなくて、とにかくはしゃいでしまう。


びっくりするのは、そういう日の夜必ずその当時の夢を見るのだ。
部活の夢じゃなくて(部活の夢じゃないんだけど)、大学時代の夢。
そこの引き出しの鍵が開くようだ。



そういう今となっちゃ非日常の感覚を色々突っついてくれる機会なんだなと、当時のことを懐かしく思いながら披露宴に参加していた。
本当におめでとう。
それは本心。
けど、お前のこなれたスピーチにはモヤモヤするぞ。