荻窪再び

ヒロシとユウスケが荻窪で二人で呑んでいるというので、車で帰る途中顔を出した。
あの駅の横にくっついている立ち呑み屋。
二年ぶり。


色んなことを話した。

ユウスケが言う。
「お前ホントすごいな」


お前もすごいよ。
表しかない男。
そんな彼は男女問わず人気者。
二丁目でも爆発的な人気をほこる。
そしてずっと一人の女性に愛され続けている。


そしてユウスケは寝てしまった。




場所を移し四丁目カフェ。



人の家で寝ているようなユウスケを尻目に、ヒロシと延々と話す。


俺は彼の職場での成長に焦りにも似た驚きを抱いた。
一年目の時に同じ職場に配属され、同じ課で、同じ課長のもと働いた。
その当時言われたこと、当時経験したこと、考えたことが今の自分達の、特に彼の骨格になっており、同じ同期で後輩の日報をチェックし、行動管理をし、教育をする彼が、彼の成長がまぶしかった。
先月のオフサイドや、これまでの数々のオウンゴールが帳消しになるくらい立派だった。




そしてヒロシはそのまま自宅へ帰り、俺は寝起きのユウスケを車に乗せて荻窪に戻る。
帰りの車の中、ユウスケがつぶやく。








「・・・メガ牛丼食った?」