半期総括


2006年3月より

先月引渡しをしたお客さんから大クレームが来て、俺は夜中9時過ぎにお客さんの家に行った。
夕方建設の現場監理者が行ったが、門前払いをくらったとのこと。


家の前に行き、夜中なので携帯に電話をし、とにかく話をさせてほしいとお願いし、家に入れてもらう。
若御主人と1対1で話し合う。

若御主人とサシで話すのはもしかしたら初めてかもしれない。


御主人は着工後からの現場の対応の悪さ、意思疎通のなさを話し出した。


対応が遅いのではなく、対応が悪いと。
いろんな人がスタッフとして関わってくれるのはありがたいが、どこに相談をすればいいのかわからなくなる、とのこと。
もっともだ。

営業がしっかりと全体をまとめないと、現場で何が起こっているのか把握していないと、今回のような大クレームになる。


「せっかくいい家を建ててもらって、俺もローン返すために仕事頑張るかって気持ちでいたのに」

その言葉が痛かった。


特に3月の期末の完工にあわせて現場は物凄く忙しくなり、営業は受注で忙しくなり、かなり神経使わないと手が回らなくなる。


挙句の果てに現場の人間が「3月は他に物件が多くて忙しくて」とお客さんに言ってしまう。
お客さんってか施主にとってはありえない理由だ。
理由にならないし、そんなの会社の都合だ。



一通り話を聞き、謝る所は謝り、今後誠意を持って対応することを約束して帰る。

「全部終わったら、一緒に飲みましょうよ」

最後にそう言ってもらえて、ちょっと辛くなる。



翌日支店長に報告し、チームリーダーに報告。



リーダー「それはもう起きちゃったら営業が全部抱え込むしかないよね、営業からしてみれば余計な仕事だけど。
現場の人間に対するクレームは、たどれば営業に対するクレームだから。
けど建設の現場と営業の疎通とか、営業と設計とかコーディネーターとかとのの疎通とか、そういうものの悪さは俺が入社した当時から変わっていないよ。
もう15年以上前からだよ。
変わらないものとして、営業が全部やらないといけないものとしてやるしかないよ。
それかそういう体質を変えたいと思うならお前が偉くなることだよ。」



どっかで聞いたなあ・・・。



その当時俺はチームリーダーにその日感じた疑問や不満をすぐぶちまけていて、当時のリーダーはそれを大人の目線で丁寧にフォローしてくれていた。


また、支店に来て間もない自分の行動をちゃんと見てくれていて、自分も信頼関係のもとに報告を欠かさなかった。
初めて一人で申込金を取ってきたときは物凄く喜んでくれて、嬉しい気持ちと同時に当たり前だけど半人前扱いだよなーって実感した。




今年の上期、そのリーダーが課長になり、久々に彼の下で働くことになる。


扱いというか、指示の仕方が変わったなあ、という印象。

課の人数が少なかった二年前は課の中で俺が断トツで最年少だったが、今は年齢で並べると真ん中。


「悪いけど、下見てやってくれ」

とか、

「資料見る時間ないけど、まあ任せたから」

とか、そういう場面が多くなった。



で、喜んでくれたのが今日。


銀行の支店長との打ち合わせに同行をお願いした。
事前に案件の紹介を受けていたから、受ける側のマナーとしては俺一人より所属長を連れて行った方がいいだろうと思ったし、案件の規模が大きかったから。



打ち合わせが終わって帰りに言われた。


「今日俺行く必要なかったじゃん。
隣でお前がしゃべってるのを久々に聞いてたけど、もう全く問題なかったよ。
全部話せてたし、作ったプレゼンも喜ばれてるし、お釣りみたいな依頼とでかい紹介取ってきてるし。
安心したよ」




だんだん要点を押さえられるようになってきた実感があるし、今度は要点を全く外さないように鍛練しようと感じた。



課長と昼飯食いながら突然訊かれる。


「お前結婚はどうすんの?」
「俺の年齢のときどうしてました?」
「俺は独身を再び謳歌してた。
もてたなー」




そうでしたか。